第44回ケアスタッフ研修会 H29.10.24(火) 参加者82名

講演「認知症臨床における家族支援」
公益社団法人西熊谷病院 認知症疾患医療センター
臨床心理士 原 祐子先生

認知症に限らず精神障害を発症すると、その後の治療や生活においても家族も本人も葛藤し、互いが影響しあってストレスを抱え込んでしまう。特に家族介護者は、腰痛や栄養不足による身体的不調、介護費用等の経済的負担、家族や同僚の無理解から社会的にも負担を強いられる。こうした先に虐待、殺人、自殺といった追い込まれる末の最悪の結末に至ってしまうケースがある。こうした家族介護者に対して、身体的、心理的、社会的側面からアセスメントし、特に家族にはエンパワーメントしていただくアプローチが必要である。エンパワーメントに必要な要素として、教育的要素として介護知識の理解や気持ちを整理していただく肯定的な心のケア等が必要である。こうしたいわゆる心理教育という場面の設定が必要であること。また時にはレスパイトとして家族会や認知症カフェ等の資源活用も紹介、利用という機会を保障してあげることも必要であろう。 講師の開催している、「認知症家族教室」が紹介され、特に当事者同士(ピア)との出会い、つながることの効果が孤立感解消やカタルシス効果をもたらす。こうした資源の開発と継続的開催により、多職種で積極的に家族介護者にアプローチする姿勢は、認知症臨床者と家族介護者との信頼を築き必要不可欠のものへと進展していくものと確信した。

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