第25回認知症多職種事例検討会 H30.7.19(水)105名

事例 「若年認知症の方の徘徊(一人歩き)を考える」
レクチャー 「認知症鉄道事故裁判~JR東海事故から~」
砂川市立病院 認知症疾患医療センター・3階南病棟

事例では、60歳代後半の男性の徘徊(一人歩き)について地域包括支援センターに一報が入り、家族も介護に限界を感じ現在入院加療中。今後の支援について検討した。家族はまだ家でみれるか?いや施設か?の葛藤にどう支援者は寄り添うか。また本人は家族である自覚もなく、会話も成立しない状況で家族と暮らすことが幸せだと思えるかなど、ある意味家族神話をとらえ直す意見もあった。答えの出ない検討ではあるが、家族の思い、本人の幸せ、施設か在宅か、さらには人権擁護をも包含し考える事例であった。また後半の認知症レクチャーでは、同じく徘徊(一人歩き)をテーマに鉄道事故に遭遇し多額の賠償を迫られ裁判で戦った経緯を家族がまとめた一冊を読み解き話題提供した。今回の事例検討並びにレクチャーを通して確認したいことは、
・徘徊(一人歩き)にも意味がある
・住民、専門職の意識の向上必要
・家族の管理監督責任を問いてはいけない
・日頃の本人の興味、関心に注目
・家族も隠さない、背負わず周囲に協力求める
・SOSネットワーク+GPS+警察=重層的資源の活用
であると考えた。
今後もこうした研修を通してテーマ一つひとつを考える機会としたい。