首都大学東京、繁田雅弘先生をお迎えしました。繁田先生とは、 平成25年認知症サミットにおいてお会いしたのがご縁で、 当地域で活躍されている認知症支援ボランティア“ぽっけ” の研究にも関与していただくなどご理解をいただいております。 先生は、「これまでの治療に対して、 認知症疾患の病態の違いやその治療の違いに関心は向くものの本人 の訴え、すなわち主観症状に思いが及ばなかった。 本人から想いを聞くことが課題になっている。 聴いた言葉を訂正することなく複数の意味の可能性を考えながら聴 き続け、治療に活かしていくことを心がけている」とのこと。 こうした「想いを聴く」という姿勢として、 援助側は当事者に伝えたいことを持って接すること。また、 コミュニケーションがとれない当事者でも私たちの感情を感じ取っ ているということを知っておかなければならないということ。 表情ひとつでもコミュニケーションは可能であることなどなど。
参加者から、多くの実にストレートな感想をいただきました。「 足元を見つめ直した」「明日から即実践したい」「 家族ばかりに話を聞いてしまうが本人と話をすること」…。 先生のわかりやすい事例も交えたご講演は、 再び拝聴したいとの反響が多かった研修会でした。