第49回ケアスタッフ研修会 H31.3.5(火)142名

身体拘束ゼロを可能にする大誠会スタイル
医療法人大誠会 理事長 田中志子先生

高齢化に伴い認知症の方が増え、中小病院、大学病院においても、認知症の方の入院が増えています。そんな中、H31.2.17の北海道新聞でも「精神科拘束1万2528人」との厚生労働省の報告記事がありました。そのうち、6割の方が高齢者患者だったとのことです。今回、講演いただいた群馬県沼田市にある大誠会の法人全体で、一貫して身体拘束ゼロでの認知症ケアを行っている話を拝聴しました。身体拘束をしないで重度のBPSDへ対応することが、職員にとって負担になります。第一に、「いかに身体拘束をしないか」ではなく「いかに早くBPSDを軽減させるか」という視点でケアを考えていること。第二に、「認知症ケアは特別なものではなく、看護師、リハビリスタッフなど全員で実践した組織全体の風土を形にしていった」といいます。実際に大声を上げて入院していた方や寝たきりで拘縮の強い方がみるみるよくなっていく事例をDVDで見せていただきました。法人全体550名の職員一丸となった取り組み。「されてほしくないことはしない」「どうしてほしいかを聞く」そしてあらゆることを試してみるケアの工夫・・・。実に圧巻の講演でした。