第40回 ケアスタッフ研修会 H28.11.1 155名

今回大阪大学大学院医学系研究科 精神医学分野 講師 数井裕光先生をお迎えし、「BPSDへの対応と認知症ちえのわnetの可能性」と題してご講演いただきました。

認知症の方には、物忘れ・場所や時間がわからない・言葉が理解できない・道に迷うといった認知障害と共に、“行動・心理症状”と呼ばれる「Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia」の頭文字をとって「BPSD」と呼ばれ、妄想・怒りっぽさ・うつなどがあり、BPSDは認知障害以上に本人の生活の質を低下させたり周囲の悩みの原因となっています。BPSDになりやすい方とは、調和性の低い方、合併症のある方、コミュニケーション障害の方など一定の特徴があること。またBPSDの根本は“不安”を和らげるように接するのが大切。例えば、同じことを何度も聞かれた場合には、その都度別の回答をしていると別の話と思われてしまうため、あえて同じ回答を何度も繰り返すと良いなど、具体的にご教示いただきました。後半は、ウェブサイト「認知症ちえのわnet」。認知症ケアについて認知症のご家族の体験と、専門家の知恵を合わせながら一緒に認知症に関する理解を深め、日ごろの認知症ケアに役立てられることを目的とし運用開始。「ケアしている方が困ったときにこのホームページのケア体験から、似た症状に対する対応法を探してもらい、それを試していただく。さらに、それが有効だったか否かを投稿してもらいたい、もしも有効でなかった場合、その時に試した異なる対応法と、それの有効性を書き込んでもらう。会場の参加者に集合知の結集を呼び掛けておられました。詳しくは、http://orange.ist.osaka-u.ac.jp/ 。