砂川市認知症ケア向上推進事業 認知症多職種合同研修会

「認知症を支える!まぜこぜの世界をめざして」
九州保健福祉大学 保健科学部作業療法学科 小川敬之先生

H27.9.18(金)砂川市地域交流センター大ホールで中空知を中心にケアスタッフ、行政、ボランティア団体等約200名の参加を得て拝聴しました。

九州宮崎を中心に作業療法士として認知症に関する様々な取り組みを地域で行っています。45年後には日本の人口は9,000万人40%の高齢者、生産年齢や子供は半分に。認知症だけでなく三世代をどうするかが今後の問題。また700万人が認知症になる将来をカバーする地域包括ケアシステムや初期集中支援チームに期待が寄せられています。

そうしたシステムもうまく循環していくには、認知症を正しく理解していただくための「啓発」が要。まずは、認知症を理解するその一つは、本人家族に対する理解。その人を注視してコミュニケーションの糸口を探る。そして本人の歴史から、人となりを知ること(narrative)が大事。さらに、家族の「社会的な痛み(social pain)」を理解することです。

次に宮崎県における、地域づくりの様々な形をご紹介いただいた。県の古民家を活用する方法、シャッター街の空き店舗を商店主らと集う「しゃべり場」、喫茶店に週1回クリニックから認知症の患者をお連れして、手品、生演奏、紙芝居をしていただく。他、三世代交流の場づくり等。

また県北部の村では、出来た“しゃもじ”を磨いて仕上げる。つまり地場産業を公民館で高齢者に作業していただき収入を得るという「デリバリー作業」の取り組み。当事者らの認知症症状は変わらないが週2回作業に出ていく本人の姿は家族の介護負担が軽減になっている。他、かざぐるまの製作。図書館に認知症の図書コーナーをつくる活動(dementia friendly library)。

最後に小川先生から、The way to get started is to quit talking and begin doing.(始める方法は、話すことをやめて、始めることです)との言葉をいただき、まずは実践してみることを学びました。遠い九州宮崎県からお越しいただき、また多く地方からもご参加いただいた参加者の皆様、ありがとうございました。

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